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ダウンアンダー2020は、リッチー

 2020-01-27
南半球のオーストラリア、アデレード周辺で約1週間にわたって開催されるステージレース、ツアー・ダウンアンダーが終わりました。

シーズン最初のワールドツアーレースですし、ここからシーズンインする選手たちにしても、勝利へのモチベーションの高い地元選手等を除けば、そこまでコンディションも高まっていない、ある意味調整レースとも言えるこの大会。
それでもいざレースが実際に開始するとなると、やはりそこでは熱い戦いが繰り広げられるもので、今年も例年同様、しっかりと楽しませてもらいました。

最終日のミランガ・ヒル山頂ゴールまでもつれた戦い。
それを制して2020年の総合優勝を手にしたのは、トレック・セガフレードに所属する地元選手のリッチー・ポート。
ツアー・ダウンアンダーといえばリッチー・ポートという印象があるので、もっと総合優勝をしているような気もしましたが、実際にはこれで2度目の栄冠になります。
なお、リッチー・ポートにはミランガ・ヒルの山頂ゴール7連覇の偉業もかかっていましたが、今回はステージ2位に終わったので、残念ながらその記録は6連勝で終了してしまっています。
まぁ、永遠なるものは存在しない諸行無常であることが世の習いですから、これも仕方がありません。
リッチー・ポートにすれば、ミランガ・ヒルの連勝記録が途絶えたとしても総合優勝を手にすることはできたので、満足のいくレースになったのではないでしょうか。

なお、前日のステージでそのリッチーを逆転して首位になっていたディフェンディングチャンピオン、ミッチェルトン・スコットのダリル・インピーは。ポートの登りについていくことができずに、3連覇を果たすことはできませんでした。
最終日のハイスピードな展開にやられてしまったのではないかということを J-Sports の解説陣が言っていましたが、かなり惜しい戦いだったお思います。

なお、日本人選手としては唯一参加していたバーレーン・マクラーレンの新城幸也は、最終的に総合29位でレースを走り切って、UCIポイントを20ポイント獲得しています。
夏にはオリンピックもあるわけですし、ここでポイントを獲得したのは大きいこと、そして昨年は怪我もあって不本意なシーズンを送った新城が順調なシーズンインを果たしたことは、嬉しい話ですよね。

ダウンアンダーに出場していない有力選手もまだまだ数多く存在しているわけですし、今回の大会だけで2020年シーズン全体を占うのはさすがに乱暴です。
けれども、現段階で、こういった選手たちが、このレベルの戦いを見せてくれるのであれば、今年もかなり期待していいと思われます。


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「明るい夜に出かけて」

 2020-01-25
久々に読んだ佐藤多佳子作品となったのが、『明るい夜に出かけて』。
いわゆる青春小説が上手い書き手という印象を持っている佐藤多佳子なので、今作もその前提で読み始めたのですが、その期待を裏切らず、なかなかにいい作品でした。

本作の主人公は、大学を休学し、親元を離れて横浜市金沢区でコンビニのバイトをしながら1人暮らしをしている青年。
彼はとある事情で女性に触れられることを極度に拒絶するようになっていて、バイトも、なるべく人が来ない夜間のシフトに入っています。
バイト仲間に対しても不愛想で接触を避ける彼ですが、いつの間にか、Youtube で「歌い手」として活動しているイケメンのバイトリーダーの鹿沢、深夜ラジオのハガキ職人で少しばかりピーキーな性格をしている女子高生の佐古田、高校時代のワケありな友人である永川の3人と交流を深めるようになっていきます。
本作は、その交流を通して主人公が精神的に回復し成長していく様を描く作品だと言っていいでしょう。

実は主人公も深夜ラジオにどっぷりとはまっていて、以前はハガキ職人として活動をしていたのですが、前述の「事情」が関係して投稿を辞めていた、というのが物語の展開上のカギとなっている本作。
大きな特徴は、実在の(既に番組は終わっているので「実在していた」と言うべきかもしれませんが)ラジオ番組、「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」(略してアルピーANN)を、主人公と佐古田の2名がお気に入りのラジオとして使っているところです。

私も浪人時代などに深夜ラジオを聞いていたことはありますが、それはオールナイトニッポンではなくて「さだまさしのセイ!ヤング」でした。
なので残念ながら、放送局も違いますし、ちょっとジャンルも異なっています。
しかし、リスナーが投降したネタを司会者が読むという形式は一緒ですから、本作におけいて主人公達が深夜ラジオというものに対して感じていること、思っていることの一部くらいは理解できたつもりです。
町中が静まり返った深夜にラジオを聞くことって、独特の高揚感がありますよね。

世間でいうところの「普通」からはどこか外れてしまった部分を(その登場人物によって程度の違いはありますが)抱えている面々が織り成していく物語は、どこかしら優しくて暖かい肌触りがあります。




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「メイドインアビス -深き魂の黎明-」

 2020-01-23
当初の想定よりも高いR15という年齢制限が課せられたことも話題になった映画、『メイドインアビス -深き魂の黎明-』 を観てきました。

まぁ、普通に考えて妥当な年齢制限ですよね。
『メイドインアビス』という作品は、一見すると可愛らしいキャラクターデザインと色彩豊かで緻密な背景が織りなす、ファンタジー冒険絵巻という皮を被っていて、その実、かなりエゲツない展開を見せる作品なのですから。
さらに、今回の映画は「深き魂の黎明」という副題で、TVシリーズの続編とうことなのだから、当然そこで描かれるのは、あの辺のエピソードになるに決まっているわけで……
そりゃあ、どう考えたって、可愛らしい児童冒険者たちによる可愛らしい冒険、になるわけがありません。
むしろ、期待通りの胸糞展開だったと言えましょう。

黎明卿、新しきボルドンド、ボ卿、ゲス外道、呼び方は色々ですけれど、いずれにせよ、本作の敵役であるこの人物がどうしようもないロクデナシなのは、誰しもの意見の一致するところでしょう。
そのロクデナシっぷりを楽しめるかどうか。
この 『メイオインアビス -深き魂の黎明-』 をエンターテンメント作品として受け止められるかどうかは、そこがポイントです。
なお、それ以外の、画面構成や、キャラの動きや、背景美術や、音楽といったものは最高に素晴らしく、制作側の本作に対する本気度がうかがえました。

TVアニメの続編なのだから、映画ではなくTV放送の方がいいのではないか、とか、第2期は無いのか、とか、そういう話もあるでしょうけれど……
いやぁ、この内容をTVで放送するのは、倫理的にどうなんでしょうね。
ここ以降をTVで第2期放送、というのも……


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今年も、ツアー・ダウンアンダーから

 2020-01-19
毎年この時期に南半球で開催され、中継放送シーズンの開始を告げるのが、ツアー・ダウンアンダー。

とはいえ、開催地はオーストラリアです。
昨年8月に始まった大規模な森林火災は、未だにおさまっていませんよね。
これまでに、実に関東の1.5倍にもなる500ヘクタールが延焼して、5億頭あまりの野生動物が命を失ったという話も出ています。

そんな大変な状況下にあるオーストラリアでレースを開催などしていられるのか。
特に自転車ロードレースは室内ではなくて、街と街を結ぶように開催されるものです。
火災による大気汚染とか大丈夫なのか、南米にまで汚れた空気が到達したというニュースも見ただけに心配もしたのですが……
どうやらツアー・ダウンアンダーの開催地であるアデレード周辺に関してであれば、レースが開催できないとまでのところまでは至らなかったようで、安心しました。

前述の状況等を考えれば、「安心」していいのかには、疑問もありますけれども。

ともあれ、ツアー・ダウンアンダーが開幕です。
今日未明のプロローグレースに続いて21日からは、いよいよ本番のステージレースが始まります。
時差的に生中継をそのまま視聴するのは難しく(仕事をしなければなりませんから)、どうしても録画して観る形になりますが、今年は誰がどのチームに移籍をしているのか、そもそもチームスポンサーはどうなっているのか、チームジャージのデザインは変わったのか。
それを確認していくのがこの時期の楽しみです。


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「目を見て話せない」

 2020-01-18
文庫化を待とうかとも一瞬思ったのですが、概要を見てこれは早めに読みたいなという気持ちになってきてしまったので、似鳥鶏の『目を見て話せない』を購入。
そうやって私を動かした、本作の粗筋は、こんな感じです。

コミュニケーション下手でも、名探偵になりたい。千葉の房総大学の新入生・藤村京は入学早々、友達づくりに乗り遅れ、愕然としていた。自らの<コミュ障>ぶりを嘆いていると、教室に高級な傘の忘れ物を発見する。他人と会話をするのが苦手な藤村は、推理だけで傘の持ち主を特定しようとするが!?セレクトショップの試着室から消える女子大生の謎、カラオケルームで起きた泥酔事件の真相、大学内外で起きる事件をひとつづつ会計していくにつれ、藤村の周りは少しずつ賑やかになっていって――。共感度バツグン。大学生たちの青春日常ミステリ!


という、帯に印刷されていたこの文章のどこに興味を覚えたのかというと、それはズバリ、主人公がコミュ障だというところ。
まぁ要するに、そこにちょっとした共感を覚えて、似鳥鶏がそれをどのように描写しているのかというところに興味が出たのです。

こういうことを知人に言うと、「お前はコミュ障には見えない」と言ってくれる人も多々いるのですけれども、いやいや、私、大概どうかしているコミュ障ですよ。
本作の主人公のような、人と話すことがそもそも出来ないというようなタイプではありませんけれども、主人公の友人の里中から、他人に簡単に声を掛けられるスキルを外して、加越さん的な強情さを若干加味すれば、自分と似たようなものができあがるのかな、という気がします。
こういうのの程度は人それぞれなので、その強度によって、一見したところ他人とのコミュニケートがちゃんと取れているようにも思える人から、誰かと会話をしている姿が想像もできないというような人まで様々でしょうけれど、私は、傍から見たらどれくらいなのでしょうね。
こういうのは自分自身では分からないところも多いので、そこの判断はできていません。
それに、それが分かるようならば、そもそも私はもっと上手く、色々とコミュニケートが取れているはずですから。

ともあれ、そんなこんなで読み始めた本作。主人公達への共感とか、そういうのは抜きにしても、日常の謎系の青春ミステリーとして、面白いものでした。
きれいごとだけではなく、醜さとか負の勘定とかもきちんと描くところとか、ラストに向けてしっかりとした盛り上がりを作ってくるところは、さすが似鳥鶏。
また、随所に脚注が入ってセルフ突っ込みその他をかましてくるところもいつも通りで、あとがきのバカ話も含めて、すっかり楽しませてもらいました。

いい作品ですね、本作。
結構お勧めです。



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2020年冬期 開始アニメ 雑感 その3

 2020-01-15
この1月に放送を開始したアニメの第1話を鑑賞しての簡単な感想。
今回は、その第3弾のアップとなるわけですけれども、これで、私が視聴しようと決めていたものについては、一通り主だったものを溶解したことになるでしょうか。

1) 空挺ドラゴンズ

CGに今一つしっくりこない感じはありましたが、第1話の出だしとしては、悪くない感じでした。
ここから物語をどこに向けていくのか、ドラゴンの正体や生態などに迫っていく展開になれば面白いなと個人的には思いますが、それは地味なものになりそうだから、あまり無い、かな。
原作は読んでいないのでその辺りは分からないのですけれど、捕龍船クィン・ザザ号に諸事情を抱えて集った人々の群像劇になるのでしょう。
だとして、あまり人情路線には行かない方がいいかなぁ。人情モノも好きですけれど。
そこはかとなく、『天空の城ラピュタ』臭がするのは、この場合、ご愛敬だと言っておくべきでしょうか……

2) 理系が恋に落ちたので証明してみた。

こちらは、原作既読。
徹頭徹尾ギャグな話ですけれども、使っているネタが理屈っぽいので、それをどう表現していくのかに大いに興味を惹かれていた作品です。
マンガで読んでいる分には、文字で何度も読み返すことができますけれども、アニメだと、録画再生出ない限りは、同じ個所を何度も繰り返すことは、基本、できないわけですしね。
さて、それで実際の第1話がどうだったのかというと、無難に作ったかなぁという感じだったと言えばいいでしょうか。
無難がいけないわけではありませんし、スラプスティックな演出などが似合う作品ではないので、最大公約数、こするしかないかなという出来なのではないでしょうか。
「アニメ版ならでは」の何かがあったわけではありませんし、今後の物語も知ってしまっているので、第2話以降を視聴するかは、ちょっと微妙なところになったかもしれません。

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「大絶滅恐竜タイムウォーズ」

 2020-01-11
草野原々の 『大絶滅恐竜タイムウォーズ』 は、昨年4月に発売された 『大進化どうぶつデスゲーム』 の続編。

公式の粗筋には 「本書は『大進化どうぶつデスゲーム』の続篇であるものの、前作読者の期待を大きく裏切る超衝撃的な問題作である!」 という言葉が記されおり、帯には 「人類×キャラクター×ダーウィン×ストーリー×生命×オリンピック→崩壊!!!! 『大進化どうぶつデスゲーム』の全てをぶち壊す最新刊」 という惹句が記載されています。
前作は草野原々にしては「普通」で(あくまで「草野原々にしては」ですが)あり、現在までに読んできた彼の著作の中では最もラノベっぽい作品でした。
その続編たる本作。
事前に目にした担当編集の Twitter 等から、結構ヤバいことになっているらしいとは思っていたのですが、実際に読んでみると……こ、これは、予想以上です。

冒頭の30ページ程度を読んだ段階で私が感じたことを一言で表すならば、「頭がおかしい」です (良い意味で、ですよ、もちろん)。
この作品の中身について具体的なことを少しでも書いてしまうことは作品の破壊力を損なうことになって、せっかく読者がとんでもない読書体験をできるチャンスを駄目にしかねません。
ですので、多くは書けないのですけれども、草野原々は、あの 『最後にして最初のアイドル』 を書いた人である、ということを、もっと真剣に考えて読み始めるべきでした。
『大進化どうぶつデスゲーム』がかなり普通な感じになっていたので、油断してしまっていたことを、ここにお詫びと共に反省します。

過剰に次ぐ過剰、加速に次ぐ加速。
もともと本作はシリーズ化が前提で考えられた企画であったはずですが、おそらくですけれども、草野原々は、シリーズ第2作以降何冊かを使って描いていこうとしていたようなことを、全てこの『大絶滅恐竜タイムウォーズ』1冊に詰め込んできています。
セールス的な問題で出版社から打ち切りを打診されたので仕方が無くそうしたというのではなく、おそらく、そうしなければいけないという確信、作品がそれを求めているという衝動の下に。

有体に言って、怪文書レベルの傑作です。

そういえば、『最後にして最初のアイドル』が文庫で刊行された時のインタビューで、「とにかくメチャクチャで読む人の頭をおかしくして読後に踊りだしてしまうようなSFを書きたい」と発言していましたね、草野原々。
本作は、まさしくそんな作品になっていると思います。
1作目がああだったからこそ、2作目の破壊力も倍増する。
担当編集他、この2冊はどちらから読んでも問題が無いという発言も見受けられますが、個人的には、やはりこれは『大進化どうぶつデスゲーム』を最初に読んでから『大絶滅恐竜タイムウォーズ』に取り掛かるという、刊行順に取り掛かっていくのが正解だと思います。
誰かに薦めてしまっていいものなのかという戸惑いがある一方で、これを読まないのは損であるという意識も強くある、そんな、アンビバレントな作品でした。




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2020年冬期 開始アニメ 雑感 その2

 2020-01-09
この1月に放送を開始したアニメ、ここまでのところはなかなかにシビれる出来のものが多くて、実に嬉しい限り。
そこで今回は、それ等の第1話を観ての簡単な感想、その第2弾をアップしたいと思います。

1) 映像研には手を出すな!

控えめに言って、最高です!
この作品については、こうとだけ書いておけばそれでもう必要にして十分なのではないかという気がします。
が、さすがにそれだけでは紹介にならないので、もう少し詳しく書くことにしましょう。
まず、本作の原作マンガですが、一部で結構な話題になっているということは、以前からよく知っていました。
しかし絵柄がちょっと苦手な方向性のものだったので、興味はあるのだけれども読もうという気には、今一つなれないままだった作品です。
そういうものがアニメ化されるというのは、これはその作品が実際に面白いと言えるものなのか、それともそうではないのかということを、はっきりと確認してみることができるという点で、私のような者には嬉しいチャンスです。
湯浅政明監督以下、手練れのスタッフによるアニメ化というのも、私がちょっと苦手に感じた絵柄には合っていそうで、そこも良さげだなと思っていましたし。
そんなわけで、わりと結構な期待のもとに視聴した第1話。
冒頭に書いたように、最高にして最上の出来でした。
あり得ない世界設定もいいですし、それを描いた美術もいい、作画もぐりぐりと動き回っていていい、そして、NHKでの放送だからか、『未来少年コナン』 ネタをたっぷりと盛り込んでいるのも素晴らしかった。
オタクのダメなところを愛情たっぷりに描いていますし、この先が大いに楽しみになる第1話です。

2) ID:INVADED

これは、良いSFですね。
連続殺人犯の深層心理、フロイトの精神分析でいうところの欲望や原始的欲求(でしたっけ?)のイドの世界にダイブすることで、犯人の情報を探っていくというのが、基本的なストーリーライン、なのかな……
ジョンウォーカーという、ラスボスらしき存在も第1話で早々に明らかになっていますが、現段階ではその正体は全くの不明。
物語も、イチから全てを懇切丁寧に説明するというよりも、材料はあちこちに散りばめて開示していくから、視聴者が自分でそれ等を組み立てて解釈・解析をしていってほしいというような、なかなかにシビアな造りになっていますけれど、それが逆にいい感じです。
何でもかんでも手取り足取り分かりやすく説明していけばいいというものでは、無いですからね。
初回は1話と2話を一気放送という形式でしたが、イドの世界には殺人を犯した者しか入れないとか、それ以外にも、色々と思わせ振りな情報がバラバラに与えられていて、このパズルを組み立てていくのは、かなり楽しめそう。
こちらもキャラデザインは少し苦手なタチなのですが、それを上回って余りある物語の面白さが気に入りました。
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2020年冬期 開始アニメ 雑感 その1

 2020-01-07
終わった番組についての話をしたならば、次は新たに始まった番組の話をしなければなりません。
そんなわけでいつものように、今期に放送が開始したアニメ作品の第1話を観ての簡単な感想を、視聴順に書いていこうと思います。
書いているうちにちょっと長くなってしまったので、まず今回は、2作品を紹介。

1) マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝

正直、「まどか☆マギカ」 については、TVシリーズと劇場版で全てが奇麗に終わっていると思っていました。
なので、現在あちらこちらで展開されているアナザーストーリーについては、公式が2次創作の同人みたいな活動をしているなという認識でいたのです。
特にタイトルは出しませんけれども、実際、そういう内容の作品もありますしね。
これは別に、それが悪いと言いたいわけでは無くて、あくまで私の中ではそういう扱いになっているということです。
なので、『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』 がアニメ化されると聞いた時にも、それってどうなんだろうという疑念が拭いきれませんでした。
せっかくきちんとまとまっているものに対して、余計なストーリーを付け足して台無しにしてしまうのではないか、という恐れだと言い換えてもいいかもしれません。
で、第1話を観終わった時点でその心配が拭いきれたとは言いませんけれど、少しは薄れたかな、とは思っています。
スタッフが前作の雰囲気、物語、設定、その他諸々を大事にしていることは伝わってきました。
敢えて「マギアレコード」の物語については調べておらず、初見での感想を大事にしたいと思っているのですが、虚淵玄が関与していないらしいところに、まだちょっと不安は残っている、かな……。
それもこれも、第2話以降を視聴していけば、どうなっていくのかが判明していくことですよね。

2) 恋する小惑星

ベタな作品の予感しかしなかったものの、天文ネタは嫌いではないので試しに第1話を視聴してみました。
変に百合っぽさを強調していたり、登場キャラの精神年齢を疑うような造りだったら嫌だなと思っていたのですけれども、少なくとも第1話を観た限りにおいては、これは、良いベタですね。
とはいえ、この路線をこのまま行くのであれば、他の作品との差別化が図れません。
制作サイドがそれを望んでいるのか、そしてそもそも原作がそういう感じになっているのかは分からないのですが、個人的な好みを言わせていただくのであれば、やはり 『恋する小惑星』 ならでは、という要素がどこかに欲しいんですよね。
それを除けば、第1話では作画も演出も丁寧に作られていましたし、かなりガチな資料協力も得ているようなので、このクオリティーをある程度維持できるのであれば、なかなかしっかりとしたものを見せてくれそうな期待を持てます。

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2019年秋期 終了アニメ雑感

 2020-01-05
番組改変期になりましたね。
そこで今回は、いつものように、今期で放送が終わった番組の最終回につき、簡単な感想を書いていきたいと思います。

1) PSYCHO-PASS サイコパス 3

「以下、劇場版に続く」という商売の仕方は、あまり好きじゃないのですが……
物語そのものは実に面白くて、毎週の放送が楽しみでならない作品だったと思っています。
過去のシリーズの登場人物も、いい役回りで再登場してきて、映画も含めてここまで作品を追いかけてきた私としても、とても楽しませてもらいました。
TV放送は、かなりいいところ、いわゆるクリフハンガーな状態で終わってしまっているので、一日でも早く劇場版が観たいのですが、問題は、多くの人が指摘しているように、劇場映画1本だけのボリュームでこの話が終わるとは、とても思えないということでしょう。
シーズン4、あるんですよね?

2) Fairy gone フェアリーゴーン

作画は良かったし、基本的にネタは悪くなかったと思うんですが……
シリーズ構成とか、そういうのがどうにもダメだったので、全体的に今一つのまま終わってしまったという印象です。
素材を調理が台無しにしてしまった、と言えばいいでしょうか。
あまりに勿体ない作品でした。

3) BEATARS!

その反対に、全てがバッチリはまっていたのが、『BEASTARS!』。
キャラをCGアニメでやると知った時には、それってどうなんだろうと疑問に思ったりもしたものですが、それが全くの杞憂だったというのは、本作を視聴された方ならばご存じの通り。
OPの楽曲と人形アニメーションも素晴らしかったですし、複数あるEDをエピソードに合わせて使い分けていたのも、良かった。
思わず原作を全巻、大人買いしてしまいました(まだ読めていないけれど……)。

4) ヴィンランド・サガ

素晴らしいアニメ化ということであれば、こちらも負けていません。
しかも、かなりの残酷描写のある作品を、最大限、原作のまま、残酷なところは残酷なまま、映像化してくれました。
余計な付け足しも、大事なところのカットも無し。
原作も連載開始時からずと楽しく読ませてもらっているだけに、ここまで丁寧にアニメ化してくれたら、それはもう、制作サイドへの感謝しかありません。
第2期の制作も決まってほしいところですけれど、仮にそれが確定しいたとしても、実際に制作が進んで放送ができる状態になるまでは、最低でも1年、おそらく2年はかかるんだろうなぁ。
じっくりと腰を据えて、物語の最後までアニメ化してほしい(原作もまだ連載中ですけれど)のですが、次の第2シーズンは画的には地味なところもあるから……どうかな?
NHKでの放送だから、そこは大丈夫かもしれないですけれど。

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「雪が白いとき、かつそのときに限り」

 2020-01-04
昨年発売されて一部で話題になっていた、陸秋槎の『雪が白いとき、かつそのときに限り』。
中国の作家(今は日本の金沢に在住らしいですが)の書いたミステリー、いわゆる華文ミステリーの邦訳作品ですね。
帯で青崎有吾が「純度100%の『少女』と『推理』。学園ミステリの美しき結晶。」と書いていますが、日本の新本格ミステリーに強く影響を受けた著者が、自身の体験を反映させて書くことができるからということその他の理由から取り組んだ、長編2作目の学園モノになります。

本作は、発見された死体の周囲が降り積もった雪に覆われていて、その点で誰かが近づいて殺人をすることは不可能と思われる「雪密室」を題材にしています。
その点、正しく、いわゆる「新本格」の系譜に連なる作品だと言えるでしょう。
しかし、本作の最大の特徴はそこではありません。
端的に言ってしまえば、この作品は「百合」の匂いが非常に色濃いのです。

ネットで著者のインタビューなどを読むと、彼の趣味嗜好が日本のアニメやマンガ、特に百合系統の作品にあることが分かりますが、本作は、それ等と新本格ミステリーという、趣味の世界、自分の好きなものをテンコ盛りに投入して、学園青春ミステリーという形でまとめ上げた1冊と言えます。
私が本書を読んで強く感じたのは、これは非常に情緒的な作品であるということ。
あまり詳しく書いてしまうと大いにネタバレになってしまうのでミステリー作品では絶対に避けなければならない範囲にまで言及してしまうことになってしまいかねないのですけれども、特に事件の動機のところにその傾向が強く、ここは大きく好き嫌いが分かれそう。
私としては、そこにこそ十代少女の感情の動き、迷い、悩み、葛藤というようなものが表現されているように思えて、端正かつ丁寧な文体と合わせて、とりわけグッと来たところだったりします。
青春ミステリー好き、百合モノ好きには特にお勧めの作品です。
そういう人は、発売から3ヶ月も経過したこの段階で私が推薦しなくとも、とうに本作を読んでいそうな気もしますが。

なお、本作に出てくる学生等が、会話の中に普通に中国の古典や欧米の哲学書その他からの引用を挟み込んでくるところは、これはいかにも中国らしいなと感じました。
日本人は、特に最近はそういう会話をやらないから、もしかしたらそこに違和感を覚える人もいるかもしれませんけれど、ある程度の教育を受けている中国人は基礎教養としてその辺を暗記していますし、会話の中で適時ふさわしい引用をできるということが品格があるということにも繋がるから、結構さらりと、日常会話に古典引用が入ってくるんですよね。
この辺は、文化の違いであり、それも面白いところです。



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「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」

 2020-01-03
2016年の12月に感想を書いた劇場アニメ 『この世界の片隅に』。
アニメに限らず、邦画はその上映時間に、最長でも概ね100分から120分という縛りが課せられていますよね。
それは観客の回転率を高める(つまり1日当たりの上映回数を一定以上にする)というような興行上の理由からのことであり、そしてまた、単純に、あんまり長時間の上映だと観客が途中で疲れたり飽きたりしてしまうという事情もあるのかもしれません。

まあ、その真実がどうであれ、実写、アニメを問わず、日本で作られる映画は、基本、2時間以内の上映時間がほとんどです。
その制約からは 『この世界の片隅に』 も自由にはならず、旧劇場版(便宜上、こう呼ぶことにします)は、原作マンガをそのままアニメ化したのではなく、とあるエピソードを丸々全てバッサリとカットしたものとなっていました。
とはいえ、その結果として物語がつまらなくなったのか、というと、そんなことはありません。
それは、リンク先に書いた私の感想だけのことではなく、同作がこれまでに獲得してきた世間の評判からも、お分かりいただけるのではないでしょうか。

しかしながら、(皆さんはとうにご存じかもしれませんが)その完成度の高さ、作品としての素晴らしさ故に、旧劇場版については、その公開当初から、カットされてしまった部分も描いた「完全版」を作ってほしいとの声が大きかったのです。
そういった声の高まりを受けて、新たに作画からスタートして、原作完全準拠の形にしようという作業が始まって約3年。
満を持して昨年末から、いよいよ公開が始まった 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』。
イメージとしては「ディレクターズカット」のような感じの、この作品を、高校時代からの友人と一緒に、テアトル新宿で観てきました。

もともとの旧劇場盤も素晴らしかったのですが、今回のこれも、とても素晴らしかったです。
上映時間は当然のように2時間半を超えているのですが、私個人としては、それは特に気にならなかったです。
トイレが近い人は、大変だろうなと思いますけれど。
なお、旧劇場版と今回の 『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』とは、それぞれ別の作品だと思ってほしいようなことを確か監督が言っていたかと思いますが……
旧劇場版が「日常」を描くことに重点を置いていたとすれば、今回は「人物」を描くことに重点を移してきたようにも思いました。
実際、同じシーンが旧作と今回とで、別の趣を感じさせるものになっていたところもあって、なる程、監督が言っていたのはこういうことか、と納得させられたりもしました。
が、まぁ、その辺りの判断は、両方を観た人がそれぞれに行えばいいことでしょう。


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2020年になりましたね

 2020-01-01
明けましておめでとうございます。


自分は別におめでたくない、という方がいらっしゃったら申し訳ありません。
ですが、新年の早々にはこういうご挨拶をするのは慣習であり礼儀でもあると思いますので、そこはお許しください。
令和2年の幕が開いて(つまり、令和になってから最初の新年を迎えて)、皆様にあっては、何か心に誓っていることととか、今年はこうしたいなとか、そのようなことはあるでしょうか。

そんなことを書いている以上は、私にはそれが存在するわけですけれど……
こういうのは、言葉にすると叶わないという考え方が存在する一方で、「言霊」ではないけれど、言葉にすることでむしろ実現可能性が高まるのだという考え方もありますよね。
この「別館」ではどちらを採用しようかなと思って少しばかり悩んだのですが、ここは、ひとまず前者で行くことにします。
はっきりと意思表明をするのもちょっと恥ずかしいかな、というのもあるので。

ともあれ、そうして迎えた新たなる1年。
良い1年になればいいなと思いますし、良い1年にしたいですよね。
今年も、よろしくお願いいたします。
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