「魔導の福音」

 2017-07-08
今回、「本館」に先がけて紹介する読了本として選んだ 佐藤さくら の 『魔導の福音』 は、以前に紹介した 『魔導の系譜』 に続く「真理の織り手」シリーズの第2作。
物語の舞台となる国家と主人公は第1作からは変わっているのですが、時代は同じで、後半には前作の主人公も登場してくる、という作りになっています。

ライトなファンタジー、異世界モノ等が主流となっている現況の中で、かなり骨太でシリアスな物語を展開した前作。
これはその続巻となるシリーズ2冊目ということで、どんなストーリーを提示してくるかと、ちょっと構えて読み始めたのですけれども、今回は、前半部分において、地方の小領主の息子が都で学ぶ中で新たな友人等と出会い青春を謳歌するというような学園モノ的なテイストもあったからでしょうか、かなり読みやすかったです。
それなりの厚みと、1ページ当たりぎっしりと活字が詰まっている文庫であるにも関わらず、想定以上にすんなりと最後まで読み終えることが出来ました。

話そのものは第1作目も今回の第2作目も等しくかなり面白いのですが、読みやすさ、という点では、こちらの方が圧勝という感じです。
それは、読者に物語を届けるのにプラスに働きますよね。
何より、読んでみようかな、買ってみようかな、と思ってもらう為には、これって、かなり重要なことではないでしょうか。

自分の書きたい世界を全力で描いたのは解るけれども、少々生硬なところもあった 『魔導の系譜』。
それに対し、本作の執筆に際しては読者の存在をより意識するようになったのかとか、そういうことは不明ですけれど、こういう感じできてくれるのであれば、シリーズをこの先も追いかけてみようかなと、そんなことを思いました。

「魔導」というものの扱い方等の世界設定、キャラクターの魅力、そして物語の読み応えと、3つの要素がなかなかのレベルでまとまっている、いい感じの1冊です。



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