「古書カフェすみれ屋と本のソムリエ」

 2017-06-17
すっかり積読になっていたものを消化したのが、里見蘭の 『古書カフェすみれ屋と本のソムリエ』。
これは、古書店が併設されたカフェ(つまり、カフェの客は自由に古書店の本をそこで読むことができるという形態の店舗です)を舞台にして、そこに訪れる客が持ち込む「日常の謎」を、古書スペースの担当が差しだす本をきっかけに解き明かしていくというライトミステリーです。

正直、「古書」と「カフェ」とのミクスチャーという、柳の下のドジョウを狙うのも大概にしとけよ、と思ったのは、否定しません。
ウケたものを掛け合わせればそれでOKと思っているだとしたら、戦略的といえば戦略的なのかもしれないけれど、明らかに芸が無くて、編集者も作家もとんだ無能だぞ、とか、そういうことを考えずにはおれない設定です。

当然、私も書店で最初にこの作品を目にした時には、そのように考え、そのままスルーしようとしていました。
しかし、作者が里見蘭だということで、これまでに読んできた作品は悪くなかったなぁ、ということが思い出されたんですよね。
だから、文庫本でそこまで値が高いわけでも無いから、これも一応一読しておこうかな、と、そんなくらいの感じに考えて、購入してみたのです。
まぁ、そこから先、実際に読み始めるまでに、結構な時間がかかってしまってはいるのですが……

ともあれ、ついに読み終えた本作、結論から書きましょう。
類似作品との差別化ができているかといえば、そこは残念ながらイマイチですけれども、読み物としてはしっかりと面白かったです。
よくある定型に嵌め込んで「どうです、いい話でしょう?」と差し出されているような部分もありましたが、ベタなことはあながち悪いことではない、という私の普段からの主義主張からすれば、それも許容範囲内の程度という感じでしょう。
ロマンス要素もちょっと匂わせているのも、私の好みに合うところです。
出版サイドの狙いにまんまと嵌められてしまうようで、ちょっとばかり、不快にならないでもありませんけれど、楽しんで読ませてもらったから、まあいいか。

シリーズの第2巻も今年の3月に出ているので、それも引き続き読むつもりです。



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