ジロは、ドゥムラン

 2017-05-30
2017年における3大ツールの幕を切ったのは、例年通り5月開催のジロ・デ・イタリア。
今年は記念すべき100回大会ということもあって、相当に熱く盛り上がる戦いが繰り広げられたようです。

ここで、「ようです」というような他人事の表現になるのは、私が今回のジロの中継映像を観ていなかったから。
その辺りは、放映権を有している DAZN に感じた不信や不満が大きく影響しているのですけれども、まあ、何度も同じことを書いてもしかたないので、それはそれとしておきましょう。

毎年、ジロを始めとする3大ツールについては、各賞の最終結果をここに書いています。
なので、DAZN の配信を観ていないからというだけで、その習慣を今年は止めてしまうというのは、それはそれで何だか寂しいなと感じました。
そこで、今年のジロの結果について、ネットの専門サイトなどで結果を確認していた身ではありますが、その概要をこの場に簡単に書いてみようと思います。

まず総合優勝ですが、これは予想通り、かなりの激戦だったよう。
最終的に総合首位のマリア・ローザを手にしたのは、この大会で初めてのオランダ人チャンピオンとなった、サンウェブ所属のトム・デュムラン。
得意のタイムトライアルでいい走りを見せたこと、山岳ステージで何とか食い下がってタイム差を最小限に抑えることに成功したことなどが、2位に入ったモヴィスターのナイロ・キンタナや、3位のバーレーン・メリダのヴィンツェンツォ・ニーバリといったグラン・ツール優勝経験者を押さえて、総合優勝の座を勝ち取った最大の理由、なのでしょう。

次に、ポイント賞のマリア・チクラミーノ。
スポンサーの変更により、今年からまた、紫色に戻ったようですね。
で、これは、最初からここの賞を狙って乗り込んできたクイックステップ・フロアーズのフェルナンド・ガビリアが、グラン・ツール初出場であるにもかかわらず、2位以下に大差をつけて獲得しているようです。
クイックステップ・フロアーズというチームは、ここ、というものを狙って出場してくると、本当にきっちりと結果を出してくるのがさすがですね。
もちろん、エースの走りが素晴らしいから、という前提条件があればこそ、ですが。

山岳賞のマリア・アッズーラも2位との差が大きくて、チーム・スカイのミケル・ランダが圧勝したと言って差し支えない結果になっていますね。

ヤングライダー賞のマリア・ビアンカは、総合順位と同様に、1位と2位が最後まで接戦を繰り広げていた模様。
そしてこちらも、最終日ミラノでの個人タイムトライアルで、クイックステップ・フロアーズのボブ・ユンゲルスがオリカ・スコットのアダム・イェーツを破って見事に獲得することとなったようです。
……ということは、クイックステップ・フロアーズは、100回記念大会である今回のジロ・デ・イタリアで、特別賞ジャージを2つ手にしたということですか。
さすが、職人集団と言われるだけのことはありますね。


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「ニルヤの島」

 2017-05-27
以前に読んだ 『クロニスタ 戦争人類学者』 がかなり面白かったので、文庫化もされているデビュー作も読んでみようかと、実在の戦国武将の名をペンネームにした柴田勝家の 『ニルヤの島』 を購入。

個人の人生の全てをログとして記録し再生できる生体受像(ビオヴィス)の発明により、自分という存在が世界から永遠に失われてしまう死というものに対する恐怖が薄れていき、その結果、死後の世界という概念が否定されることになった未来世界。
円環状の大環橋(グレートサーカム)で繋がれた太平洋の諸島国家であるミクロネシア経済連合体(ECM)を訪れた文化人類学者イリアス・ノヴァクは、現地ガイドとして雇用した日系の若者ヒロヤ・オバックの祖父である、死出の船を作る老人と出会います。
バチカンの法王さえも天国の存在を否定した時代において、死した後に人は「ニルヤの島」に行くと訴える「世界最後の宗教」統集派(モデカイト)が勢力を拡大しつつあるECMで、人の生と死、そしてその魂を導く実験とは、いかなるものなのか。
というような話なのですが……

改めてこの紹介文を書く為にストーリーラインを頭の中で整理してみると、わりとシンプルな物語であることに気が付きます。
しかし、実際読んでいる時には色々な要素が錯綜する複雑な話だと感じていたのは、おそらく、前述のノヴァクの他にもスウェーデン人の女性脳科学者ヨハンア・マルムクヴィストが主役となるもの他、全部で4つのエピソードが並行的かつ複層的に、そして時間軸を前後したりしながら綴られるという構造を、本作が持っているから。
もちろん、そうなっているのにはストーリー的な意味でも作品のテーマ的な意味でも必然があるのですけれど、それ故に一読状態では取っ付きにくい、ちょっと難しい物語に感じられてしまったのは、確かなことでしょう。

先に読んだ 『クロニスタ~』 での「自己相」という設定もそうでしたし、人の記憶や意識の外部へのバックアップ、もしくは共有化というのは、柴田勝家という作家が目下追いかけている大きな軸となくテーマなのかもしれませんね。
彼が大学院で研究しているという文化人類学的な要素は、本作では 『クロニスタ~』 より更に色濃くて、それが本作に独特の雰囲気をもたらしています。

ちなみにこの 『ニルヤの島』 は、2014年の第2回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞しており、その際には審査員にかなりの絶賛を受けたそうなのですが、それもなる程なと納得できる、そんな力作でした。



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「BLAME!」

 2017-05-24
全面的にCGを導入したアニメ作品については、その日本における導入期の違和感の印象が強くて、何となくの苦手意識がありました。
しかし、ここ数年の技術の進歩により、アクションにしても顔の表情や動きにしても、あまり違和感を感じさせないようなものが作られるようにもなってきていますし(それでも、まだ、違和感バリバリの作品はあるのですが……その辺りは、予算の関係もあるのでしょうね)、アレルギー的な拒否感は、かなり薄れてきています。
それでも、実のところ、当初は観に行こうという気がほとんど湧いてこなかった作品が、あります。

それが、弐瓶勉のマンガを劇場作品として仕上げた、『BLAME!』。
SF作品ですし、かなり渋めに、硬派に作られているようですから、好みか好みでないかで言えば、間違いなく私の大好物。
なので、普通であれば間違いなく、確実に、映画館に足を運ぶところなのですけれど、そこで前述のCG作画に対する抵抗感というものが、出てくるわけです。
TVシリーズとして製作された作品をその放送時に、基本、電気代以外はタダである状態で観るのと、出費を伴って映画館まで行く、というのとでは、やはり、事情は違いますからね。

そんな私を、強烈に後押しし、こいつはやはり映画館に行かなければいけないか、と思わせた要素は、大きく2つあります。

1つ目が、早川書房が出した、『BLAME!』のアンソロジー本の存在。
ここには、私がその著作を追いかけている 小川一水 が手掛けた作品が収録されていて、それを読みたい、読もうというのであれば、やはり、原作に対する知識は無ければだめだろうと考えたから。

2つ目が、劇場版のノベライズを、これもまた、私が著作を追いかけている作家である 冲方丁 が手掛けているということ。
ならば、冲方版のノベライズを読んで、それからアンソロジーを読めばそれでOKなのではないか、という考えもあるのですけれども、ノベライズを楽しむ前提に、映画を観ておくことは、必須条件とまではいかないまでも、結構大事なことではないか、と思えたのです。

と、こういうわけで、私は劇場アニメ 『BLAME!』 を観に行くことに決めた次第なのですけれども、この流れで行くのであれば本来ならば、その前に原作マンガを読むべきです。
ただ、それなりのボリュームのある作品ですし、実のところ個人的な事情により、今すぐにそれを読む時間は確保できなさそうであること、そうこうしている内に、映画の公開が始まってしまいそうなことから、ここは敢えて先に映画を観てしまうことに。
せっかくならば音響のいいところで鑑賞したかったので、立川のシネマシティに行ってきました。

増殖する都市、そしてそこから排除される住民、という世界設定は、ついこの間読んでこの「別館」でも紹介したばかりの柞刈湯葉『横浜駅SF』を思い出させますが、時系列的には 『BLAME!』 の方が先に発表されています。
実際、柞刈湯葉自身が『横浜駅SF』について、同作は 『BLAME!』 へのオマージュ、パロディーの色合いが濃い作品であると言及しているので、両者に類似性があって当たり前、と言えますね。
徹底したハードさを描いていた『BLAME!』と、どこかユーモラスだった『横浜駅SF』とでは、受ける印象はかなり違いますけれど。

さて、そんな 『BLAME!』 をジャンル分けするならば、「ディストピアSF」ということになるでしょう。
人類の黄昏、ネット接続機械文明の弱点、などなど、語ろうと思えばかなりのネタを用意できる作品でもありますが、公開が始まったばかりでネタバレは避けたいですし、その辺りの論評は、それを得意としている人に席を譲ります。
1つ言えるのは、全体的にテンションが張り詰めている、シビアな物語の作品であったということ。
逆に、そうやって始終、ギリギリの緊迫感があるが故に、物語の進行がちょっと単調になってしまったところがあるように感じられるのが、いかにももったいないということ。
緩急がつけ切れていない感じ、と書けば、お分かりいただけるでしょうか。
まぁ、気を抜くシーンの入れどころもそんなにありませんでしたし、むしろ構成的にはかなり濃密に詰め込んだ感がありますから、結果、こういう風にしかできない、ということなのかもしれません。
100分程の映画であれば、それでも勢いで突っ走れてしまいますしね。

そういう、ちょっと気になるところはありつつも、これは、かなりの傑作映画だと感じています。
特に、私のようなSF好きには、徹底してツボでありましょう。
上映終了後、即座に原作マンガも読むことを決めましたし、何ならサントラCDも買ってしまおうかというくらいに、気に入りました。

昨年は 『君の名は。』『聲の形』 、そして 『この世界の片隅に』 を始め、アニメ映画がなかなかの豊作でしたけれども、今年もそれに負けず劣らずいい年になるのではないか。
そんなことを、強く感じさせられました。

お勧めの、作品です。



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ベネット!

 2017-05-22
アメリカ西海岸、カリフォルニア州において、7日間にわたって開催された自転車ロードレース、ツール・ド・カリフォルニアがゴールを迎えました。

正直、レースの途中経過を見ている限りだと、ポーラ・ハンスグローエのラファル・マイカが総合優勝を獲得するのではないか、と思っていました。
しかし、いざ終わってみると、総合首位のジャージを表彰台で纏ったのはロットNLユンボのジョージ・ベネット。
マイカは、コンディションのピーキングの問題も現時点では無いわけではないのでしょうけれども、実際、タイムトライアルの走りをもう少しでも改善しなければ、こういうレースでの優勝はまだ難しいということなのでしょうか……。

その他の各賞についても触れておきましょう。

ポーラ・ハンスグローエは総合優勝は逃したものの、ポイント賞は、ペーター・サガンが貫録の獲得。
そして山岳賞はユナイテッドヘルスケアのダニエル・ハラミーリョが熱戦を制し、ヤングライダー賞はディメンションデータのラクラン・モートンが獲得をしています。

中継放送は早朝に行われていましたし、何かと忙しくもあったので、録画したものを 1.5倍速の再生で観るというスタイルがメインとなってしまいましたし、時にはチャプターを飛ばしたりもしていたので、各ステージをきちんと観戦していたとは、お世辞にも言えない状況ではありました。
それでも、要所はしっかりと観ていましたし、結構な面白い大会だったと思います。


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「横浜駅SF」

 2017-05-20
大胆なタイトルが書店で思い切り目を惹いたのが、柞刈湯葉の 『横浜駅SF』。

今でも結構目立つような陳列がされていますが、発売当時、所要があったので立ち寄った横浜駅前の有隣堂では、壁を埋め尽くすようにポスターが貼られていましたし、本書が表紙を向けて平台と壁にズラリと並んでいたものです。
地元プッシュというのが多少あるとしても、作品そのものが面白くなければ、書店員もそこまでのことはやりませんよね。

私にとって横浜駅というのは一時期、数年にわたって日常的に利用していたことがあり、その意味で、個人的にかなり親しみがある駅です。
日本初の鉄道が品川から横浜の間に敷設されたのは1872年のことなのですが、その当時の横浜駅は現在の桜木町駅であり、その後、1915年に高島町駅のところに移転、更に現在地に移動したのは1928年になってから。
それ以来現在に至るまで、常にそのどこかしらで何らかの工事が行われ続けている為に、「日本のサグラダ・ファミリア」だとも称される横浜。
1ヶ所の工事が終わる頃には、別の場所で新しい工事が始まるという繰り返しが続いている為に、もしかしたら永遠に建設中なのではないかとすら思えてしまう。
それこそが横浜駅のアイデンティティーであり、むしろ完成しないことこそが完成形ではないか、というような声まで聞こえてくるくらいです。

その駅名を大胆と題名にいただいた小説で、それも「SF」と堂々と名乗っているのですから、読まずに済ませるという選択肢は無かろうと、書店でこれを発見した時には思ったものです。

工事中であることが完成形である「横浜駅」の姿。
時代の要請に応えて絶えずその姿を変化させていく有様というのは、生物、例えば人間が、酸素や栄養を外部から摂取し、老廃物その他のモノを外部に排出して、常に構成要素の入れ替わりを続けるという流動的な状態を維持することで生きているのと、同じことだと言ってしまえるのではないか。
そんな発想から、まるで生き物が成長するように自己増殖を続けて行く横浜駅の姿を描いた本作。
なかなか刺激的で面白い小説となっていました。



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同姓同名

 2017-05-18
Amazon を始め、あの手のネット通販会社で、自分の好きな作家やミュージシャンを「お気に入り」に登録しておくと、新作の発売予定などを事前にメール他で通知してくれるというサービスがありますよね。
それは、こちらのチェック漏れをフォローしてくれるというという意味で、わりと役に立つものなのですが、たまに、うざったく感じることが無いわけではありません。
この手のユーザーデータの活用、マーケティングというようなものは、流行ではあるのですが……

時々、なんでそんなものがお知らせされるのか理解不能だったり、明らかにジャンルその他の設定ミスだろうというような、そんなメールが来ることが、ありますよね。

そんな誤送信お知らせメールの1つとして、先日、HMV から次の商品の紹介が届きました(HMV からの通知なのに、Amazon のアフィリエイトなのは、お許しを)。



これがどういうジャンル分けで通知されたのか、もう分かったという人もいらっしゃるかもしれませんね。

そう、TOKIO 関連の新作として、です。

いやいや、いくら著者が 山口達也 という名前だからって、それは無いでしょう。
でも、TOKIO のあの 「棟梁」 山口達也 であれば、一級建築士製図試験に関する本を出したとしても、全く不思議では無いというか、まるで違和感が無いというのが、この話のポイントとなるところ。
違和感、無さすぎです。

腹を抱えて、笑わせてもらいました。

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水道橋駅のロック

 2017-05-16
所要で行ったJR水道橋駅のホームにて、下の広告を発見。

以前にもこのブログに書いたことがありますが、今年は聖悠紀 『超人ロック』 シリーズの生誕50周年というメモリアルイヤー。
同作品と非常に関係の深い少年画報社も、それを記念してかなり力が入っていて、雑誌 『ヤングキングアワーズ』 に「超人ロック トリビュート」と称して、錚々たるマンガ家達の描いた「超人ロック」の読み切りを掲載したりしています。

それが、来月の6月9日に、コミックスにまとまるようです。
また、現在同作を連載中の同誌の姉妹誌である 『ヤングキングアワーズGH』 に掲載された読切外伝も、同日、コミック化されるとのこと。

いやぁ、これは、非常に嬉しいですね!

ちなみに、何で水道橋駅なのか、ということの答えは簡単で、それは 少年画報社 の最寄駅がここだから、でしょう。
乗降客も多い(何しろ、東京ドームの最寄駅でもありますから)ので、こういった大型ポスターを貼りだすのは結構な料金がかかるのではないかなぁと、ちょっと ㈱ジェイアール東日本企画 のホームページを調べてみたら……
おぉ、意外とリーズナブル。
天下のJR東日本だからか、あんまりご無体な価格設定は、していないんですね。

ともあれ、半月後のコミックス発売が、楽しみです。



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「ビッグデータ・コネクト」

 2017-05-13
これまでに読んできた3作品の完成度と読了後の満足感から、かなりの期待を持って読み始めた、藤井太洋の 『ビッグデータ・コネクト』。
タイトルで何となく分かるでしょうが、マーケティングの分野で何かと取りざたされる「ビッグデータ」が今回の題材。
裏表紙の内容紹介を引用させていただくと、「京都府警サイバー犯罪対策課の万田は、ITエンジニア誘拐事件の捜査を命じられた。協力者として現れたのは冤罪で汚名を着せられたハッカー、武岱。二人の操作は進歩的試聴の主導するプロジェクトの闇へと……。行政サービスの民間委託計劃の陰に何が?ITを知り尽くした著者が描くビッグデータの危機。新時代の警察小説。」 となっています。
ここにもはっきりと書かれているように、これはあくまで警察小説と言うべき作品で、SF感は今までで一番薄い……というより、ほとんどありません。

ビッグデータの利用というのは、プライバシーの侵害と密接にかかわってくる問題ですよね。
ネットでの買い物や実店舗でのクレジットカードの購入履歴、カード番号に暗証番号、Suica 等の利用状況から導き出される生活圏や移動範囲の情報、住基カードやマイナンバーから分かる住所や本籍地、その他諸々のビッグデータがあれば、その人のことがデータ的に丸裸にできるわけです。

だからこそ、その管理と収集・利用には慎重の上にも慎重を重ねなければならないのですが……
実際の世の中がどうなっているかというと、故意のものもそうでないものも含め、データ流出のニュースが絶えることなく発生しているというのが現実。
そんなわけで、官主導・民主導を問わず、ビッグデータの収集には懐疑的であり、できればその対象に含められるのは御免こうむりたいと思っているのが、私という人間です。

だからこそ余計に、「ビッグデータ」が「コネクト」される状況を題材にした本作は、非常に興味深く、関心をもって読ませてもらったのですが、いや、これは面白い。

そして、本作を読んでいて強烈に印象に残るのが、システム開発事業にみられる、中抜きに次ぐ中抜きと、何次請けかカウントするのも馬鹿らしくなるくらいの下請けばかりが薄利な上に持ち出しばかりで苦労する、あまりといえばあまりにブラックな労働環境への糾弾。
作者は過去に実際にITエンジニアとして働いていたことがあるらしいのですが、だから、この一連の描写にこれだけのリアリティーがある、わけか。
あくまでフィクションであって、実際にはこんなことは無いんですよ、と言うことができればいいのですが、実際は、同様のことが今も現実にそこかしこで行われているというのが本当のところなんでしょうね、おそらく。

これは、自分の子供には間違ってもITエンジニアだけにはなるなよ、と言いたくなるレベルの話です。
幸いにも(?)、私は子供どころか結婚すらしていないので、その心配はしなくて済むわけですけれど。



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カリフォルニアが開幕

 2017-05-12
イタリアでは現在、3大ツールの最初の1つであるジロ・デ・イタリアが絶賛開催中。
しかし、DAZN と契約する気が全く失せてしまっている私は、今のところ、その経過は専門サイトなどの情報で知るのみになっています。
実際問題、毎日行われている各ステージについて、DAZN がどの程度配信をしてくれているのかここまで確認もしていなかった(結構、どうでもいいや、的に思ってしまっていた)のですが、その辺、どうなっているんですかね?
……と思って、ちょっと調べてみたら、さすがにジロは毎ステージ配信をしているようです。
それだけでなく、日本語解説も付けているようなのは、さすがにアレですかね、その辺のクレームが多かったんでしょうか。
で、そういう確認はしつつ、まだDAZNとの契約をしていないのは、要するに、何となく DAZN を信用しきれない気持ちが残っているから、に他なりません。


さて、ジロ・デ・イタリアというビッグレースが開催中だからといって、他の地域で別のレースが一切行われていない、というわけでは、もちろん無いわけです。。
例えば、15日から1週間は、北米大陸における最大のレースと言ってもいいのであろう、ツアー・オブ・カリフォルニアが開催されます。
厳しい山岳ステージが続くジロを回避してこちらでの勝利を狙う選手だったり、もともとここでの勝利を目指す選手だったり、ともあれ、毎年、なかなかのメンバーが出場してくるという大きな大会です。

ちなみに、こちらは例年通り、J-Sports が中継放送をしてくれるので、しっかりと毎ステージを見ることができます。
もっとも、時差の関係で放送が早朝ですから、録画しておいて後から再生するのですが。
ともあれ、これから1週間、楽しませてもらおうと思っています。


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ん、んん~?

 2017-05-07
2週続けて週末に皇居周辺に行っているのですが、赤坂の方で用事があったりしたついでに、散歩がてら、そこからゆっくり神保町方面に歩くということをしてきました。
で、その途中、ちょうど国立劇場の前あたりの内堀通りで、ちょっと首をかしげる表示を見つけたのです。

それが、下の写真なのですけれど……

街路樹の一部が途中で伐採されているのが、見て取れると思います。
これは、下水道について何らかの工事を行っていて、その支障となる為にこういうことになったようです。
せっかく立派な街路樹なのにもったいないな、とは思いますが、工事の為に根や枝が邪魔になるというのならば、これもまた致し方が無いことでは、あります。

しかしここで強烈に違和感を感じたのは、伐採された木の幹に貼られた通知文です。

写真をクリックすると、その分を拡大した画像が別画面で立ち上がるようにしてあるので、一度、見てみていただければと思うのですが、「一時的に撤去しております」というのは、ちょっと、それは表現としてどうなんでしょう。

これだと、工事中はどこかよその場所に動かして、工事が終わったらそのまま戻してくるかのようです。
それにしては、根から丁寧に掘り起こして運んだ、という体でも無いですし、これはどういうことだ、と思って、そのまま通知を読み進めたら、とりあえず、その疑問は解消。
要するに、実際には、ここにも書かれているように、工事終了後に苗樹を植えるということのようです。
ですが、ちょっと待て。
それを「一時的に撤去」とは言わないのでは?

私自身、これまでに、他人のことをどうこう言えないようなことを色々とやらかしてしまったことがあるので、正直、偉そうにすることはちょっとできないのですけれど、しかし、うーん、これには、もう少し良い表現があったのではないか、という気持ちが湧き出てしまうのを止めることはできませんでした。



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「青い海の宇宙港 秋冬篇」

 2017-05-06
雑誌『SFマガジン』に2015年から2016年にかけて連載された作品が、2冊のわかれて単行本化された、その後編が、川端裕人の『青い海の宇宙港 秋冬篇』です。

限りなく種子島な南の島、多根島を舞台に、「宇宙遊学生」の参加メンバーである少年2人と少女1人、そしてと地元の少女1人を加えた宇宙探検隊の活躍を描く本作。
前編は、面白いことは面白いものの、今一つ盛り上がれないなとも感じていたのですが、さすがは川端裕人と言うべきか、この後編は、一転、大いなる盛り上がりを読ませてくれました。

もともと、多くの人が協力してロケットの打ち上げを成功させる、というタイプの物語に私は弱くて、同じ川端裕人のデビュー作である 『夏のロケット』 (文藝春秋 文春文庫)も大好きな作品でした。
その流れで、本作にもかなり期待していたので、この後編の面白さは非常に嬉しい。

ちなみに、その 『夏のロケット』 と本作は同じ世界、同じ時間軸にある物語ということになっています。
とはいえ、本作を読むにあたって、特に 『夏のロケット』 を読んでおかなければ分からないようなことはありませんので、そこはご安心を。
まぁ、そちらも非常に面白いので、未読の方はこれをいい機会として是非、手に取ってみていただきたいところでは、ありますが。

さて、『青い海の宇宙港 秋冬篇』 です。
本作の物語が、小学生達が(大人の協力を得つつ)本格的なロケットを打ち上げるというものになっているのには、いくら既存の古い技術を使っていて新規開発をする必要が無いからといって、さすがにそれは不可能で、無理があり過ぎるだろうという意見もあるでしょう。

が、その辺については本作で描かれているような条件が揃えば不可能ではない、というような技術的な裏付けなどもしっかりとされているようですし、物語が面白くて作品内で破綻や綻びなく整合性が取れているのであれば、そこをあまり突いても野暮なのではないでしょうか。
もちろん世の中には、それでも細かい粗が気になって仕方が無くなるような作品も存在するのも確かなことですが、この 『青い海の宇宙港』 については問題は無いだろうと私は考えます。
これは、できるだけピュアな気持ちになって読むべき物語、できれば現役の小学生……にはちょっと難しいかもしれませんけれども、せめて中学生に読んでほしいような、そんな物語です。



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ヨークシャー、日本初放送

 2017-05-03
Jリーグの放映権が長年放送してきた スカパー! から、スポーツ中継のネット配信をしている DAZN に移動。
これまで同競技を楽しんで来ていた人が、のきなみ不平不満を訴えたことは記憶に新しいところ。
そして、これまでにも何度か書いたように、それは自転車ロードレースについても、実は同じ。
DAZN がイタリア、ベルギー等で行われる一連のレースの放送権を取得している為に、去年まで日本で精力的に生中継放送をしていた J-Sports が、それ等のレースに関しては放送ができないという事態になっています。

それでも DAZN がまともにネット配信してくれていれば、まだしもマシな話となるところだったのですけれど……
サーバーや回線の容量が理由なのかどうか、4月にあったビッグレース、ツール・デ・フランドルでは、権利だけ持って実際には配信をしないという事件が発生しており、正直、私としては現状は最低最悪で DAZN のことは一切評価できないと思っています。
記念の100回大会となるジロ・デ・イタリアの放送権も DAZN が保有していますが、配信内容が充実するかどうかは見込み薄ですし、そもそもこれも配信をやらない可能性も高いと思われ、私としては DAZN と契約する気は現状、ありません。
何せ、信頼できないですから。

一方、DAZN に放映権を奪われた J-Sports は、それでも視聴者、契約者を離さないようにしようというのでしょう。
色々と努力をしていて、今年の4月末には、イギリスで開催された3日間のステージレース、ツール・ド・ヨークシャーを放送してくれました。

今年が第3回目と、まだ若い大会なのですけれども、沿道の応援も大層なにぎわいとなっており、イギリスでの同競技の人気の程がうかがえます。

総合で勝負の行方を決めたのは最終第3ステージ。
厳しい山岳の続くこのステージで最も輝いたのはディメンションデータのセルジュ・パウエルスであり、彼はこのステージにおけるステージ勝利と総合優勝の2つを、見事に獲得することになりました。
昨年のディフェンディングチャンピオンであり、今年のツールでの引退を発表しているディレクト・エナジーのトマ・ヴォクレールが、連続する厳しい登坂に耐え切れなかったのか途中で千切れてしまったのが残念ですが……
しかしパウエルスの走りは素晴らしかった。
景色も綺麗でしたし、来年も中継してほしいレースです。



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北の丸公園 「動物集合」

 2017-05-01
神田錦町から竹橋あたりに用事があったので、ちょっとでかけてきました。
で、午前の予定を終えた後、次の予定までの余った時間をどうしようかと考えて、皇居の北の丸公園辺りを、ぶらぶらと散策することに。
その際に、近代美術館の工芸館に寄ってみたら、面白そうな展示をやっていたのでふらっと入ってみました。

ここは、昭和47年に重要文化財の指定も受けた旧近衛師団司令部庁舎に保存活用工事を加えて、国立近代美術館の別館として使用している施設です。
下の写真を見ていただけばお分かりいただけるかと思いますが、ちょっといい感じなので、私の好きな建物の1つとなっています。

で、現在ここで開催されている展覧会が、5月21日までの会期の「動物集合」。
さすがに本館の方まで観ている時間は無いので工芸館のみのチケットを買って入ったのですが、これだと、料金はかなりの格安良心価格です。
展示室もそれ程の広さはないので、展示されている品もそこまで多くはないものの、料金を考えるとコストパフォーマンスは抜群だと言えるでしょう。
どんなにゆっくりじっくりと見学した場合でも、1時間もかからないのではないかと思われますから、今回のような時間調節にも、最適ですね。

そんなこじんまりとした展覧会ですが、内容的にはなかなか良いものでした。
何だか良さそうだから、ここは試しに入ってみようかなと感じた、自分の直感を褒めてやりたいところであります。

皆さんにも、お近くに行くことでもあれば、是非寄ってみることをお勧めします。



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