「マイルズの旅路」

 2017-04-22
ヴォルコシガン・サガの完結編という触れ込みなのが、ロイス・マクマスター・ビジョルドの『マイルズの旅路』。
ヴィクトールもマイルズもイワンも結婚し、それぞれにそれぞれ、いい年になっていますし、作者のビジョルドも70歳を目前にしているのですから、まぁ、この辺りが幕の引き際としてはいいところ、なのかも。

もちろん、シリーズのファンとしては、続けられるものであればまだまだこの世界を楽しませてもらいたいという気持ちが無いとは言いません。
もっとも、個人的には、このシリーズが一番面白かったのはマイルズ・ネイスミス提督がマイルズ・ヴォルコシガンに戻る前だったと思ってもいます(その後の各エピソードが面白くないというわけでは、ありません)。
主要キャラクターも歳を重ねて、若い頃のような無茶な行動には出なくなってきていて、シリーズのテイストが微妙に変質もしていたから、そういう意味でも、程良い完結時期、なのかな……。

ただ、今回のエピソードが長いシリーズの最後を飾るに相応しいものだったか、と問われると……うーん、個人的意見ではありますが、正直、その点では微妙、かなぁ。
どうせならば、もっと派手に盛り上がるものが最後に来てほしかったような気がします。
ここでのマイルズの38歳という年齢を考えれば、こんなものではないか、というのも、あるかもしれませんけれど。

シリーズの最後に日本的な要素を入れ込んできたのは、ビジョルドからの、シリーズをずっと愛してきた日本人読者へのサービスと感謝の表れでしょう。
それは単純に、嬉しいなと思います。

ラストでさらっと、シリーズを通じての重要人物にあることが起きるのですが、それが確かにはっきりと、ヴォルコシガン・サガという物語の終わりを告げているとも言えますよね。
読み終えて感じる不完全燃焼さは、もう1作、マイルズの母コーデリアを主人公にした作品があるということなので、それを読めば解消される、のかな?
20冊を超えるシリーズ、ここまで長年楽しませてもらったのですから、今はただ、ありがとう、と言わせていただきましょう。




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