FC2ブログ

アルベール・カミュ 「ペスト」

 2020-06-27
満を持して……というほどではないかもしれませんが、今年の新型コロナ感染症問題を受けて幾つか読んでいる本の、一つの区切りとして、アルベール・カミュの『ペスト』を読みました。
もともとがあまりにも有名な作品であり、さらに今回のコロナ禍下における日本全国の自粛生活において更なる読者を獲得したことで、今更ながらにリバイバル状態でクローズアップされもしましたから、ここで粗筋など紹介しなくとも皆さん既によくご存じかもしれないのですけれども、それでも一応引用しておきましょう。

アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。ついで原因不明の熱病者が続出、ペストの発生である。外部と遮断された孤立状態のなかで、必死に『悪』と闘う市民たちの姿を年代記風に淡々と描くことで、人間性を蝕む「不条理」と直面した時に示される人間の諸相や、過ぎ去ったばかりの対ナチス闘争での体験を寓意的に描き込み圧倒的共感を呼んだ長編。


ペストといえば、ヨーロッパの人口の1/3が死亡したという14世紀の大パンデミックが有名ですが、本作が取り扱う時代設定は1940年代。
第2次大戦が終わっているのかいないのか、明記はされていないのですけれども、もともと本作がフランスで出版されたのは1947年であることを考えれば、一応、戦後間もない時期を想定しているのかもしれませんね。

物語は、最後になるまで誰であるかが明かされない語り手が、オランの街でおこったペストの流行を、後から、自己の経験と資料とを基にして振り返るという形式を取っています。
それはある種の疑似的報告書のようなものだと言ってもいいかもしれません。
そして、そういうものである為に、語り口は感情的なことを極力排して客観的に淡々と記していく視点で進められています。
それが良い事か悪い事かは簡単に評することはできませんけれど、とりあえず言えるのは、本作に、疫病の流行と蔓延を原因とした都市封鎖が行われた街における市民の生活を描いているということから、いわゆるパニック小説やパンデミック小説的なものを期待するのは間違いだということでしょう。

とはいえ、外部から隔離された都市で流行する疫病と、それによる死者の大量発生や人心の荒廃、暴動や虚無や退廃等を煽情的にかつ刺激的に書くことがエンターテインメント的で正しいというわけでもありません。
題材へのアプローチは人それぞれ、作品それぞれなのであって、その選択したスタイルできちんとした質の高いものが書かれているのであれば、問題はありませんよね。
そういう意味で言えば、この『ペスト』は確かに、全世界で高い評価を得ているだけのことはあって、クオリティーが高い作品になっていると感じました。

ただ一方で、個人の感想としては、この『ペスト』、文体があまりに文学的すぎて私の肌には合わなかった作品であるとも言えます。
上述の疑似的報告書のスタイルが、しかもアカデミックな訳文で書かれているので、まるで論文でも読まされているような気分にさせられるのもあってか、描かれている内容が真に迫ってくるようなことが無く、レトリックだけが表層を流れて行ってしまうようで、本当の意味で頭に入ってこなかったのです。
それはこちらの文章読解力の問題ではないかと言われてしまうと、それを絶対的に否定できないところもあるかもしれないのですが、しかしおそらくは、これは、そういうことではなく、単純に文体との相性の問題が大きいのではないかと思っています。

なお、『ペスト』といえばもう1つ、『ロビンソン・クルーソー』で知られるダニエル・デフォーが書いた同名の書籍があります。
こちらは1665年のロンドンでのペスト流行を幼少期に体験した著者が自身の経験を踏まえてルポ的に書いたもののよう。この際だから、そちらも読むかどうするか、現在検討中です。



タグ :

さて、どうしようか

 2020-06-24
いよいよ来週水曜の7月1日から、全国一斉にプラスチック製買物袋(レジ袋)が有料化されることになります。

対象となるのは「プラスチック製買物袋を扱う小売業を営む全ての事業者」と規定されていますので、私達の日常生活のあらゆるところで、今回の有料化の影響が出てくることになりますよね。
一般によく言われているのはスーパーやコンビニ。
スーパーなどの中にはだいぶ前から有料化を済ませているチェーン等も存在しましたが、コンビニについてはこの7月1日から初めてレジ袋が有料(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの大手3社は1枚3円という設定)されるということになるわけで、色々と混乱も予想されます。
少なくとも、レジでの処理速度は落ちるでしょう。
混雑時には大変なことになるかもしれませんが、こういうのも慣れなので、導入からしばらく経てば、皆さん多少は馴染んでくるのかもしれません。

私もコンビニは日常的によく使っているので……
エコバッグを購入して使うことを検討すべきか、3円だったら支払ってもいいと考えるのか、環境への配慮ということも考えなければですし、なかなか悩ましい問題だなと思っています。

有料義務になるのはバイオマス素材25%未満のレジ袋に限られますが、コンビニ各社は敢えて25%以上の素材を有料で使用するそうですね。
それは消費者の意識改革、プラスチック製のレジ袋は基本的に受け取らない、使わないという生活スタイルを定着させようという意図があってのことなわけで、ならば私も、エコバッグ、マイバッグを通勤カバンの中に忍ばせておいて、帰宅途中のコンビニでもそれを利用するようにしないといけないということになります。
コンビニやスーパーのレジ袋はゴミ袋に転用しまくって便利に使わせてもらっていましたが……やはり、ここはエコバッグの方向で考えて行こうかな。


経済産業省特設ページはこちら

タグ :

再検討の余地がありそうな気がします

 2020-06-22
先週報じられていたことですが、来年春の大学入試について、全国高等学校長協会が新型コロナウイルス感染症によって長期の休校期間があったという問題を踏まえ、全体を1ヶ月程度遅らせることを要望したことに対し、最終的に文科省は従前の予定通りの実施を原則的に決定したらしいですね。
そういえば、私が十数年にわたって受験していた某国家試験も、特に日程の延長などはせず、(あくまで今後の状況次第での変更を含んだうえでではありますが)予定通りに試験を実施しることを発表しています。

このうち、後者の資格試験に関しては、ここで例に挙げたものに限らず、会場の確保とか試験官・監督官の確保とか、採点機関や発表時期の問題等々色々と、監督省庁の本来業務などとも絡んできたりするので、なかなかズラし難いという側面があるのは、分からなくもありません。
が、大学入試というのは、どうなんでしょう。
センター試験(じゃなくて、来年からは大学入学共通テストか)については、まぁ、同様の理由からズラし難かったりもするのかもですけれど。
少なくとも2次試験だったら、ある程度弾力的な運用ができそうな気がしないでもありません。

受験料商売の都合とか、個々の大学に特有の諸々の事情とか、そういうのも存在するのかもですけれど。
その辺、実際のところはどうなんでしょうね?

ともあれ、例え今年の受験日程に関する今後の議論その他がまとまらずにその場しのぎ的に流れていき、(そんなことにはならない方が良いのは間違いないとはいえ)秋から冬にかけて再びコロナ問題が大きくなって、再度の休校期間が設けらることになったりして……
受験生の皆さんに1つ言えるのは、それで満足な勉強ができず、大学受験がボロボロに失敗したとしても、長い人生の中では、それは、そんなに大したことではない、ということです。

そういっても、現在、コロナ絡みで様々なハンデを背負いつつも全身全霊をかけて受験勉強をしていている人には、なかなかそうは思えないでしょう。
経済的に、そんなに何年も大学受験をできないという人もいるでしょう。

個々の事情は人それぞれですし、私がここで言っていることが全ての人に当てはまるとか、絶対的真理だとか、そんなわけは当然ありません。

だから、これはあくまで一般論的に私が思っていることだとご理解いただきたいのですけれど、社会人になって既に四半世紀ほどを経過していて思うことは、現役合格かそうでないか、どこの学校を卒業しているのか、最終学歴がどうなのか、という要素は、その人が仕事ができるかどうかということとは、本質的には関係がありません。
事務処理能力、思考能力、計算力などを推測する際の1つの指針にはなりますけれど、絶対的な指標にはならないです。
当初の就職の有利不利は、前年ながら歴然として存在しますが、その先は本人のやる気や努力次第で、一定限度はあるものの、結構、リカバリーが効くと、多くの経営者や成功者、国家資格保有者などと話をしてきた私は感じています。

なので、今年の大学受験を失敗したとしても、大学に通うことを断念せざるを得なくなったとしても、それは人生にとって致命傷にはならないのだと、そういう風に、現役受験生の皆さんには考えてほしい。
そのように、思うのです。


とはいえ、来年の大学入試の日程については……
再検討の余地があるのではないかなと、従来の予定通りにするとした文科省の判断には、疑問を覚えずにはおれなかったのですけれど。

タグ :

全120試合予定

 2020-06-18
明日19日はプロ野球の開幕日。
新型コロナウイルス感染症問題で遅れに遅れた2020年シーズンも、実施試合数を減らして、かつ、当面は無観客での開幕となりました。
とはいえ、感染対策がどうなのか、選手の長距離移動や宿泊の際の対応はどうなっているのか等々、不安な点は多いですよね。

ともあれ、こうして日常が少しずつ戻ってきているということが感じられるのは、いいことです。
先にも書いたようにしばらくの間は無観客開催ですが、そもそも私は、最後にスタジアムに試合を観に行ったのは10数年前という人間なので、直接的には関係が無いという考え方も成り立ちそうですが……
といって、TVで中継放送を観ている場合でも、スタジアムに詰めかけた観客の応援の声が無い放送というのは、そうではない状態と比べ、かなり大きく異なってくるというのは、まだ緊急事態宣言が出る前、阪神でコロナ感染者が出る前にTV放送された一部のオープン戦を観て感じているので、実際には、随分と感じが変わるということは分かっています。

しかし、まぁ、これは大きな一歩ですよね。
私が一番好きな自転車ロードレースは8月まで開催されないことが決定されていますが、プロスポーツも段階的に通常に戻ろうとしているのは、素直に喜ばしいことです。

とりあえず、仕事が時間までに終わらせられれば明日は、開幕戦の中継放送を感染することにします。
どの試合を見るのかは、とりあえずナイショで。

タグ :

当然、そういう流れになりますよね。

 2020-06-16
最近は多くの個人及び法人が、振込その他の取引をネットバンクで行うようになっていますよね。
少し前にニュースで見たのですけれども、その影響で、窓口やATMでの利用が以前より減っていると言うことを受け、大手銀行が店舗の削減・小型化に乗り出しているそうです。

例えば三菱UFJ銀行は今後の4年間で、今ある460程度の店舗を300店舗に減らし、その300店舗の半数は資産運用業務を中心とする小型店舗に変えていく計画を発表。
加えて、振込や入金の窓口対応は無くし、来店者が設置されたタブレット端末を使い自分で手続きするような形にするとのこと。

三井住友銀行は小型店舗の占める割合を今の5%から70%程度に大幅に増やし、みずほ銀行も店舗数をおよそ2割削減して約460店舗から370程度にする予定だそう。

わが身で考えても、今では個人ではネットバンクを使うことがほとんどです。
実店舗に行くのは手持ちが足りなくなってきて、ATMで現金を引出す必要がある時くらいでしょうか。
基本的に現金主義の私ですらそうなのですから、キャッシュレスをベースにして日々を過ごす、カードだったり電子決済だったりを主に使っているような人であれば、店舗に行く回数は、月に数回の私よりももっと少ないことでしょう。

利用者が少ないのであれば、銀行側としても、店舗をあちこちに構えてスタッフを配置する必要が無くなります。
店舗の削減や業務縮小をするというのは、経営判断としては非常に妥当なものでしょう。
家賃、固定資産税、水道光熱費、人件費等の経費も削減できますから、銀行側にすればこういう動きに出るのは当然のことです。
それで何が困るのかといって、私個人ではさほど困ることは無いのですけれど、現時点ではまだネットバンクを使っていない(使えていない)ような人にすれば、今後はちょっと大変かもしれません。
例えば、お年寄り(私の両親含む)とか。
それでも、これでもし事業者のネットバンク導入がぐっと推進されることになれば、20日、25日、月末最終日などに、複数の通帳と振込カードと手帳を手にしてATMを30分以上占領して入金確認と振込の作業等を行っている事務職員の姿も無くなっていくのではないかと思うと、実は一般的にはメリットの方が大きい話なのではないかとも、思えます。
ネットバンクはメンテナンスが行われる場合を除けば基本、24時間対応で入出金作業や確認作業が行えますから、毎月ATMに並ぶ事務職員にしても、仕事の効率化が達成できてプラスになるはず。
もっとも、そうやってATMに行くついでに自分の買い物をアレコレとやることや、喫茶店などで息抜きをすることが習慣化しているような場合は、ちょっとアレかもしれませんけれど。

タグ :
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫ 次ページへ ≫