野球、予選リーグ初戦でキューバに負けてしまいましたね。
もちろん勝負はまだまだこれからなので、2戦目以降には大活躍そして勝利、という結果を見せてくれるものと信じています。
柔道陣では女子70キロ級で上野が2大会連覇での金メダルを獲得しましたし、競泳の北島は好成績で明日の決勝に進出、太田が日本フェンシング界初のメダルを手にするなど、オリンピック日本代表はここまで、かなり良い結果を出しているのではないでしょうか。

思うままに行かないのがスポーツであり、また、周囲から寄せられる期待という名の重圧をバネにして思う以上の結果を出してみせるのもスポーツ。
今回の北京五輪における様々な選手の協議結果を見てみると、その両者が顕著に出ていますね。
結果を出した選手を賞賛するのは当たり前として、結果を出せなかった選手のことも、その努力を称えたいと思います。

さて、私の愛する自転車ロードレースは、個人タイムトライアルが行われました。
このレースで最速タイムを叩き出して金メダルを獲得したのは、スイスのファビアン・カンッチェラーラ。
2006年、2007年と2年連続で世界選手権の個人TTを制している、おそらく現時点でナンバー1のTTスペシャリストですから、この結果には不思議なところなど何もありません。
最高の選手が、最高の舞台で、世界最高峰の実力を遺憾なく発揮することができれば、おのずと金色のメダルがついてくるものです。
おめでとう、カンッチェラーラ!
サッカーもテニスも自転車ロードレースも、今年はスペインのスポーツ界が素晴らしい成果を残しています。
そこでオリンピックですが、自転車ロードレースのスペインチームは、ドリームチームとも評されるくらいに、何しろメンバーが凄い。
直前のクラシックであるクラシカ・サンセバスチャンで初優勝し調子に乗るバルベルデをチームエースにし、その他、昨年のツールと今年のジロを制したコンタドール、今年のツールを制したサストレ、過去に世界選手権を3回制し今年のツールではポイント賞を獲得したフレイレ、さらに下りで無類の強さを誇るサムエル・サンチェスという5名の顔ぶれをみただけで、レース展開次第で誰が勝つかは変わるでしょうが、しかし少なくとも、こりゃあ北京五輪の金メダルはスペインだろうと思っていはいましたが……。
ロードのコースはアップダウンの繰り返しが厳しいと聞いていましたし、サンチェスが勝ったということは最後の下りでアタックでもしたのかと思ったのですが、どうやら展開はそういう形ではなかった模様。
逃げ集団のスプリント勝負で、2位の銀メダルがイタリアのレベッリン、3位の銅メダルがスイスのカンッチェラーラというリザルトからは、サムエル・サンチェスには悪いけれど、この2人に良く勝てたな、と感じましたけれど、そうか、登りのスプリントだったんですね。
ともあれサミー、金メダルおめでとう!
ツール・ド・フランス終了から1週間。
スペインはバスク地方で開催されているワンデイレース、山岳メインのクラシカ・サンセバスチャンが J-Sports で生中継されました。
ツール覇者のカルロス・サストレやジロ覇者のアルベルト・コンタドール、更にはアレハンドロ・バルベルデやデニス・メンショフ、アンディー・シュレック、去年と一昨年の世界チャンピオンであるパオロ・ベッティーニ、クラシック得意のダビド・レベッリンなどなど、有力選手が大挙して出走しているので、これは見逃すわけにはいきません。
46人の集団が大逃げをうって後続に20分以上の差をつけた為、その後続がタイムアウトで一挙にレース停止となるという珍しい事態に陥った直後からの放送開始で、レースの展開が早かった為に、実質の中継時間は1時間少々となってしまったのですが、最終峠辺りから激しいアタックが始まりました。
で、結局このハードなレースで優勝したのはケース・デパーニュのバルベルデ。
並みいる選手たちをスプリントで制して、自身、このレースは初勝利です。
ツール・ド・フランスでいまひとつ振るわなかった分、クラシカ・サンセバスチャンで失地挽回をした、というところでしょうか。

ここで上位に入ってきた中にはそのままオリンピックにも出場する選手も多いので、そちらも非常に楽しみです。
果たしてベッティーニは2連続で金メダルを獲得することができるのでしょうか。
今年のツール・ド・フランスにおいてドーピング・チェックにひっかかった4選手の内、一番の大物である元サウニエルドゥバル・スコットのリカルド・リッコが、自身の薬物使用を認めました。
総合優勝を狙って乗り込んだジロで体力を使い果たしていた状況で、本来予定されていたエースの欠場によりチームからツール出走を急遽指示された為に、冷静な判断を失ってクスリに手を出したという旨、彼は語っています。
公式にはおそらく2年間のレース出場禁止と、加えて場合によってはフランスの法に則って最大2年の禁固と罰金を課される可能性もあるのですが、さて、2年後に彼が再び自転車レース界に無事に復帰できるかどうかは……うーん、結局のところ彼次第。
クスリなど使わなくともリッコの実力は誰しも認めるところのものであったのですが、そのやんちゃで周囲からは傲慢とも評されていた言動が何かと物議をかもし出したりしていましたし、リッコがAサンプルの陽性反応を受けてレースから去った時の選手ほか関係者のコメントをみる限り、あまりレース仲間への受けが良くなかったようですから、彼を引き受けようというチームが出てくるかな……。トップチームへの復帰は、もしかしたら難しい?
でも、それでも私としては数年後に、彼がトップチームで万全のアシスト体制の中、クリーンで正々堂々とした走りでジロを制する姿を見たいと願っています。
今回は自分の弱さに負けてしまったけれど、気を取り直して一から再出発して、もう一度、あの熱い山岳での走りを見せてくれ、リッコ……!
ちなみに、サウニエルドゥバルのスポンサー撤退によりチーム存続が危ぶまれていた件については、スコットが残留することと、新たなスポンサーが見つかったことで、とりあえず解決したようです。ちょとホッとしました。

また、今年のツールではカデル・エヴァンスの総合優勝の為のアシストに徹し、自身は1勝も挙げなかったサイレンス・ロットのスプリンター、ロビー・マキュアンが来期はロットではない別のチームに移籍することになった模様。
マキュアン=ロットというイメージがあまりにも強いので、これは、ちょっとショックを感じるニュースです。
私と同い年のロビー・マキュアンが現役で選手生活を送れるのは、おそらく残すところ数年。それが今回の移籍の一番大きな理由なのではないかとは、素人考えながらも推理できるのですが……。
おそらくサイレンス・ロットというチームはこれから何年か、エヴァンスの総合優勝を最大目標としてツールに参加してくることになるでしょう。
それは、マキュアンがチームメイトのアシストを受けずにスプリント勝負をしなければならないということであり、また、今年と同じようにスプリントでの勝負を捨ててでもステージ中にエヴァンスをアシストする為に集団をコントロールする作業に参加しなければならないということをも意味しますよね。
根っからの勝負師である彼はそれを避けたかったのではないか、という、まぁ私の想像に過ぎませんけれど、そういうことなのではないかと思うのです。
で、ここからは想像を通り越して妄想の域に入りかかっていることですが、チームメイト思いでエヴァンスの勝利を願ってやまないマキュアンであれば、もしかして、自分がロットを去ることで、今まで自分が占めていた出走枠に、チームが自分に払っていた契約金を使ってエヴァンスの為の山岳アシストを獲得・出走させることができる、という計算までしているかも。
スプリンターとして華も実績も人気もあるマキュアンがチームにいると、スポンサーとしては絶対に彼をツールの出場選手に入れるよう指定してくるはずですからね。当然、彼がステージで何勝かすることを望んでもくるでしょう。
ということは、チームがマキュアンに力を割く分だけ、エヴァンスの勝ち目が減ってしまうことになるとも言えるわけで……。美談にしすぎか?
マキュアンの移籍先としてはロシア籍のチーム、カチューシャ(元ティンコフ)が有力視されているようです。
ツール主催者のASOにしてみても、マキュアンは是非とも出走してほしい選手の1人でしょうから、来年のツールにカチューシャが出場しない、ということは、ない、はず。多分。
ということは、来年はシャンゼリゼの表彰台でマイヨ・ヴェールを期待してもいいんだよね、マキュアン!

あー……マキュアン、最後まで勝てなかったか。
最終のシャンゼリゼゴールを制したのは、クイックステップのステーグマンで、私の大好きなロットのマキュアンは4位に終わりました。
力負けしたというよりは、ゴール前の展開でそうなった、という印象でしたが、しかし展開を自分に有利に引き寄せる運も実力のうちです。
かくなる上は9月のヴェルタで勝ちまくって、あまり振るっていない今期の憂さを晴らしてもらいたいものです。

で、最終結果なのですが、総合首位は CSC のカルロス・サストレ、2位がロットのカデル・エヴァンス、3位がゲロルシュタイナーのベルンハルト・コール。
スプリント賞はラボバンクのオスカル・フレイレ。
そして山岳賞を獲ったのは総合でも3位で表彰台にのぼったコール。
新人賞はCSCのアンディー・シュレックという4賞になりました。

ロットの総合エースとスプリントエースの2台巨頭、エヴァンスとマキュアンには来年こそ、来年こそシャンゼリゼで黄色と緑色のジャージをまとって表彰台に登ってほしい、その姿を観てみたい。
現実的には、双方のジャージを同時に獲得するというのは、ロットというチームにはまだまだ難しいでしょうけれど。

ともあれ、こうして、今年のツールは終わりました。
しかし自転車ロードレースのシーズンはまだまだこれからが後半戦。
楽しみなレースが続きます。